財産分与における上場株式の評価方法

財産分与

 財産分与の対象となる財産中に株式が含まれている場合、その株式をどのように評価するかという問題が生じます。本コラムでは、財産分与における上場株式の評価方法を解説いたします(財産分与における非上場株式の評価方法については別のコラムで解説いたします。)。

 上場株式については、財産分与対象財産確定の基準時(原則別居日です。)の保有数を口頭弁論終結時又は裁判時の時価によって評価するのが一般的な考え方です(松本哲泓『離婚に伴う財産分与-裁判官の視点にみる分与の実務』(新日本法規出版株式会社、2019年))。

 しかしながら、上場株式の時価の変動が大きく、上場株式を口頭弁論終結時又は裁判時の時価で評価することにより、夫婦間に不平等が生じるような場合は、複数の時点における時価の平均値をもって評価額とすることもあります。例えば、係争中に財産分与対象財産の上場株式の取引価格が約3500万円下落した事例で、広島高判岡山支部平成16年6月18日判時1902号61頁は、「株価が日々大きく変動するものであって、資産としての確実性を有しないことなどを考慮すると、上記両時点の平均値をもって評価額とするのが相当」と判断しています。

 なお、口頭弁論終結時又は裁判時までにすでに上場株式を売却しているという場合については、売却価格から売却手数料を控除した金額で評価することとなります。

弁護士: 林村 涼